【高齢犬のワクチン接種】どうしたらいいの?獣医師が解説します。

犬を伝染病から予防したいけど、高齢だからワクチン接種は体への負担を考えると心配。このようなお問い合わせをいただくことがあります。

伝染病予防のために、犬の体に必要なものが抗体と呼ばれるものです。ワクチン接種を行う目的は、この抗体を作ることです。ワクチン接種で作られた抗体は、時間が経つと少なくなっていきます。そして、伝染病を予防するのに必要な抗体が足りなくなると、追加でワクチン接種を行って、伝染病予防ができる程度の抗体量を維持するようにします。これが、おおよそ1年に1回を目安に行う混合ワクチンの目的です。

ワクチン接種が必要かどうかを知るために、まずは、犬に伝染病を予防するために必要な抗体があるかどうかを調べるのも、一つの方法です。その結果として、伝染病を予防するための抗体が足りなければ、ワクチン接種を検討することになるかも知れませんし、抗体が十分にあれば、ワクチン接種は必要ないかも知れません。

犬のワクチン接種で狂犬病予防接種以外のものについては、接種するかどうかを飼い主さんが自由に決めることができます。誰にも強制されることはありませんが、トリミングを行う場合や、ドッグランを利用する場合など、接種していないとサービスを受けることができないことがあります。

犬のワクチンには、大きく分けると2種類のものがあります。一つは、法律で接種が義務付けられている狂犬病予防接種、もう一つは、犬の飼い主さんが接種するかどうかを決めることができる混合ワクチンのような狂犬病予防接種以外のワクチンです。

狂犬病予防接種は、犬を飼っている人に課せられた義務ですので、接種するかどうかの判断はありません。

一方で、混合ワクチンは、接種するかどうかを犬の飼い主さんが選ぶことができます。そして、いくつかある混合ワクチンの中から、どのようなものを接種するかも自由です。混合ワクチンの種類については、獣医師が、犬の行動範囲、生活している地域や年齢などから、お勧めされるものがあるので、ある程度はそれを目安にされると良いと思います。

そこで、時々ある質問で、「うちの犬は高齢になったから、ワクチンは打たなくても良いですか?」というものがあります。

答えは、「それは自由です。」となります。

混合ワクチン接種は、自動車を運転する方で例えますと、保険のようなものかも知れません。もしもに備えるということです。交通事故には、生涯にわたってあわないかも知れませんが、もし遭った場合に、保険がなければ大変なことになるかも知れません。

ワクチン接種も同じようなことが言えます。犬の生涯で、ワクチン接種で予防するような伝染病に無縁でいられたら良いのですが、もし伝染病になってしまったら、ときには重篤な病気になるかも知れませんし、ときには、生命の危機に陥るかも知れません。

そこで、「うちの犬は高齢になったから、ワクチンは打たなくても良いですか?」という質問は、運転手が高齢になったので、自動車保険は解約しても良いですか?それでも自動車の運転はしますが。ということに近い話になるかも知れません。

答えは、「それは自由です。」となります。

ワクチン接種は、伝染病予防のためなのだから、高齢だからこそ必要だという見方もあります。

犬が伝染病になることを予防したいけれどもワクチン接種は体への負担が心配だという場合には、お勧めしたい検査があります。

ワクチン抗体価検査です。

この検査の結果としてわかることがあります。

  • ワクチンの効果が切れています。
  • 今はワクチンの効果がありますが、1年ほどで切れる可能性があります。
  • ワクチンの効果が十分にあります。

と、いうものです。高齢の犬こそ、病気のリスクが高いものです。高齢犬に勧められる選択としては、下のとおりです。

  • 毎年ワクチン接種をする。
  • ワクチン抗体価検査をして、その結果から必要であればワクチン接種をする。(検査結果で見送ることができれば見送る。)
  • 抗体価検査も、ワクチンもせずに、外出もしない。

ワクチン接種プログラムについては、別記事でご紹介しています。