【現役獣医師が解説。より良い診察を受けるための】動物病院の取説

この記事を読むメリット

動物病院に行ったときに、適切な情報を担当獣医師に伝えることは、連れて行ったかわいいどうぶつに、よりよい治療を受けさせるためにはとても大切なことです。

当然、担当獣医師の力量にもよりますので、それを超えることができないのは大前提です。

ズバリ、どうぶつの症状をできる限り列挙すること!これに尽きます。

獣医師は、初めに「診断」を意識します。診断を意識しなかったらどうなるかと言いますと、対症療法に終始することになります。

例えば、嘔吐が見られたとします。診断を考える獣医師は、嘔吐が見られる病気のリストを頭の中やメモ帳かに作るはずです。これは鑑別診断リストと呼ばれ、どれだけ多くの鑑別診断を挙げられるかが、獣医師のい力量と言っても過言ではありません。その中で、このどうぶつはどれに当てはまるだろうかと、必要な検査を検討します。

嘔吐を症状とする病気は、おそらく膨大にあります。あくまでですからね。

そして、嘔吐の原因が小腸に詰まったドングリだとわかったとすると、治療のために手術をするのか、薬を使って解決するのかを判断します。

しかし、診断を考えない場合には、吐き気止めを注射しておきますね、ってことで終わるかも知れません。吐くのだから、止める。そういう考えです。

つまりは、獣医師には対症療法を期待するのではなく、できるだけ診断に迫ってもらうのが得策です。

しかし、これにも良いことばかりではありません。

原因がドングリのように単純なものであれば良いのですが、そうとは限りません。胃炎であったり、胃がんであったり、便秘であったり、ひどい痛みであったり、いろいろなことで嘔吐が見られますから、何が何でも診断となると、もしかしたら毎回全身麻酔をかけて内視鏡検査をされたり、レントゲンだったり、超音波検査だったり、血液検査だったり、とにかく確定診断のためには検査がどうしても増えます。

診断には迫って欲しいけど、毎回確定診断までを要求すると、どうぶつのい負担も、家計に与える負担も大きくなります。

ではどうすればよいかと言うと、仮の診断でもいいので、獣医師に対症療法で終わらせないように、どんな病気の可能性があるのかくらいは聞いてみても良いと思います。

そのために必要なことが、どうぶつの症状の列挙です。

あえて、このように書いているのは、なかなかこれをやってくれる飼い主さんが少ないと言うことでもあります。では、何を話してくれているのでしょうか。

意外と、主観的な話が多くなります。

例えば、とっても気持ち悪そうで、とか、ずっと苦しんでいて、とか。これは獣医師が聞きたい役に立つ情報ではありません。ご家族の方は、そう言う印象なんだなってことにはなりますが、どうぶつの診断には役に立ちません。

とっても気持ち悪そうで、の代わりには、何度も吐こうとするけど何も出てこなくて、とか、いつもはおやつを見せると飛んでくるのに、横たわったままで動かないとか。症状とは、客観的な現象です。意見や考えや、思いなどは、残念ながら診断のためには、あまり役には立ちません。

どのようなことが起こったかをできるだけたくさん聞かせて下さい。そのときに、どう見えたかとか、どう思ったかは、とりあえず置いておいて。

もし症状を10個でも教えてもらえたら、獣医師はそれだけでかなり診断に近づけるはずです。もちろん、獣医師の力量によりますが。